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税理士が解説!「青色申告の繰越控除(純損失の繰越控除)」

皆様、こんにちは。税理士の菅原和望です。

今回は、個人事業主の皆様が事業を継続していく上で非常に心強い味方となる「青色申告の繰越控除(純損失の繰越控除)」について、税理士の視点からプロが教える節税のポイントをまとめました。

「赤字が出てしまった……」と落ち込む必要はありません。

赤字に悩む個人事業主のイラスト(純損失の繰越控除)

その赤字は、将来の税金を安くするための「貯金」に変えることができるのです。

1  赤字を3年間キープ!「純損失の繰越控除」とは?

事業を営んでいれば、売上の減少や多額の設備投資によって赤字(純損失)が出てしまう年もあるでしょう。青色申告の承認を受けている場合、この赤字を翌年以降3年間にわたって繰り越し、将来の黒字(利益)と相殺することができます。これを「純損失の繰越控除」と呼びます。

例えば、今年100万円の赤字が出て、来年200万円の利益が出た場合、

繰越控除を使えば来年の課税対象所得を100万円(200万-100万)に抑えることができ、所得税を大幅に節税できる仕組みです。

2 前年の税金が戻ってくる?「繰戻し還付」の活用

さらに、青色申告者にはもう一つの選択肢があります。それは、赤字を前年に遡って適用し、既に納めた前年分の税金を返してもらう「繰戻し還付」です。純損失の繰越控除と繰戻し還付はいずれか選択適用のため、ご自身の事業の資金繰りと相談して適用する規定を選択することになります。

仕組み

今年の赤字を前年の所得から差し引き、再計算した税額との差額を還付請求できます。

メリット

来年の節税を待たず、「今すぐ現金(還付金)」を手にすることができるため、キャッシュフローの改善に役立ちます。

要件

前年分も青色申告をしており、かつ今年の申告書を期限内に提出することが必要です。

3 【重要】繰越控除を受けるための「絶対条件」

この強力なメリットを享受するためには、守らなければならないルールがいくつかあります。

連続して確定申告書を提出すること

赤字が出た年だけでなく、その後の年についても、連続して確定申告書を提出していなければ適用を受けられません。赤字だからといって申告を休んでしまうと、今までの赤字を黒字と相殺することはできなくなってしまうのでご注意ください。

損失申告書の提出

損失が出た年には、その金額や計算の基礎を記載した「確定損失申告書」を提出する必要があります。

帳簿書類の保存

計算の根拠となる帳簿書類を適切に備え付け、保存(原則7年間)しておくことも不可欠な要件です。

4 災害時にはさらなる特例も(5年間の繰越し)

もし赤字の原因が、震災や風水害などの「特定非常災害」による事業用資産の損失である場合、通常3年間の繰越期間が「5年間」に延長される特例があります。不測の事態においても、税法は事業の再建を後押しする仕組みを用意しています。

まとめ 税理士からのアドバイス

青色申告の「繰越控除」と「繰戻し還付」は、まさに事業者のための保険のような制度です。

赤字のときこそ、正確な記帳に基づいた適正な申告が、将来の経営を救うことになります。複式簿記での記録は大変に感じるかもしれませんが、貸借対照表を添付して申告を行うことで、これらのメリットをフルに活用できるのです。

ピンチをチャンスに変えて、共に事業を成長させていきましょう!

横浜市青葉区・都筑区・緑区の個人事業主の確定申告・顧問契約はぜひ菅原和望税理士事務所へ!

青色申告と白色申告の違いについては、税理士が解説!確定申告、どっちがお得?青色申告と白色申告の違いを徹底解説!の記事もご参照ください。純損失の繰越控除の詳しい制度については、国税庁のウェブサイトもあわせてご確認ください。

確定申告をしようとしている写真

この記事を書いた税理士

税理士 菅原和望

菅原 和望(すがはら かずみ)税理士/菅原和望税理士事務所 代表

  • 東京地方税理士会 緑支部所属/税理士登録番号 第154708号(2024年11月登録)
  • 登録内容は日本税理士会連合会の税理士情報検索サイト(登録番号 154708 で検索)および東京地方税理士会でご確認いただけます。
  • 会計・税務の実務経験9年
  • 株式会社カプロス 代表(2015年12月設立/ダイヤモンドコア工法によるコンクリートの穿孔・切断・解体工事/施工エリア:関東・東北)
  • 不動産賃貸業(賃貸物件の経営)

1993年生まれ。横浜市青葉区市ケ尾の菅原和望税理士事務所代表。自ら建設業の施工会社を経営し、不動産賃貸業も営む事業者としての立場もふまえ、クラウド会計(マネーフォワード クラウド)を活用した記帳・決算・確定申告までを一貫してサポートしています。

よくある質問

Q. 純損失の繰越控除とはどんな制度ですか?

A. 青色申告者が事業で生じた損失を、翌年以降最大3年間繰り越して所得から控除できる制度です。

Q. 繰戻し還付とはどう違いますか?

A. 繰戻し還付は損失を前年の所得と相殺し、前年に納めた税金の還付を受ける制度で、繰越控除とは逆方向の救済措置です。青色申告の要件は青色申告特別控除の見直しもあわせてご確認ください。

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本記事は、掲載時点の法令等に基づく一般的な情報提供を目的としたものであり、その内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。法令の改正や個別のご事情により取扱いが異なる場合がございますので、実際のご判断にあたっては必ず専門家にご確認くださいますようお願いいたします。

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