こんにちは!税理士の菅原和望です。
今日は、会社員や公務員、パート・アルバイトの皆さんにとって最も身近な「給与所得」について、2026年現在の税法に基づいて解説します。
「毎月の給料から税金が引かれているけれど、実はどういう仕組みで計算されているの?」と疑問に思っている方も多いはず。今回は、給与所得の定義から、節税に関わる控除の仕組みまで、丸ごとまとめました!
1 そもそも「給与所得」ってなに?
給与所得とは、勤務先から受け取る俸給、給料、賃金、歳費、賞与(ボーナス)、およびこれらと同じ性質を持つ給与に係る所得のことを指します。
ポイントは、現金だけでなく「物や権利、その他の経済的な利益」として受け取るものも、原則として給与所得に含まれるという点です。例えば、社宅に格安で住ませてもらったり、自社製品を無料でもらったりする場合も、時価で評価して給与の一部とみなされることがあります。
非課税になる「給与」もある!
実は、会社から受け取るお金の中には、税金がかからない(非課税)ものもあります。
- 通勤手当:最も経済的かつ合理的な経路で、月15万円までの分。
- 出張旅費:職務遂行のための旅行に必要な実費分。
- 制服・事務服:職務上、着用が必須な衣服の支給や貸与。
- 学資金:役員や使用人が職務に必要な技術を習得するための学資金(一定の要件あり)。
2 給与所得の計算式:キーワードは「給与所得控除」
個人事業主の場合、「売上 - 経費 = 所得」となりますが、会社員には「必要経費」を細かく計算する手間を省くため、あらかじめ決まった額を差し引く「給与所得控除」という仕組みが用意されています。
令和8年度税制改正により給与所得控除の適用額が拡充されました。
その結果、給与収入が850万円以下の給与所得者については減税効果が発生します。
給与所得の計算フロー
[ 給与等の収入金額 ] (源泉徴収前の総額)
↓
[ - 給与所得控除額 ] (会社員の概算経費)
↓
[ = 給与所得の金額 ]
この「給与所得控除額」は、年間の収入金額に応じて、次のように段階的に決まっています。
|
年間の給与収入(額面) |
給与所得控除額の計算方法 |
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203万3,333万円以下 |
69万円 |
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203万3,333円超 〜 360万円以下 |
給与等の収入金額×30%+8万円 |
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360万円超 〜 660万円以下 |
給与等の収入金額× 20%+44万円 |
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660万円超 〜 850万円以下 |
給与等の収入金額× 10%+110万円 |
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850万円超 |
195万円(上限) |
基礎控除と給与所得控除の拡充により、令和8年度分の所得税については減税効果を実感できるのではないでしょうか。
3 もっと経費を引きたいときは?「特定支出控除」
「仕事のために資格を取ったり、本を買ったり、スーツを新調したり……自腹の支出が多い!」という方には、「特定支出控除」という特例があります。
これは、その年中の「特定支出」の合計額が、前述の給与所得控除額の2分の1を超える場合に、その超える部分をさらに所得から差し引ける制度です。
特定支出の具体例
特定支出として認められるには、勤務先の証明が必要です。
- 通勤費:通常の通勤に必要な運賃など。
- 職務上の旅費:勤務地を離れて職務を遂行するための旅行代。
- 転任費:転勤に伴う引っ越し費用など。
- 研修費:職務に直接必要な技術や知識を習得するための研修。
- 資格取得費:弁護士、公認会計士、税理士、自動車運転免許などの取得費用。
- 帰宅旅費:単身赴任者が配偶者の住む家へ帰るための旅行代。
- 勤務必要経費(合計65万円が上限):図書費、衣服費(制服・事務服など)、交際費(得意先への接待など)。
↑一例です。自分の申請したい費用により証明書が異なります。
この控除を受けるには、確定申告が必要になります。
4 2026年も適用!「所得金額調整控除」
これは、一定の条件に当てはまる人の税負担を調整するための、比較的新しい控除です。大きく分けて2つのパターンがあります。
① 子育てや介護世帯への配慮(収入850万円超の人)
年収が850万円を超え、かつ次のいずれかに該当する人は、所得を減らすことができます。
- 本人が特別障害者である。
- 23歳未満の扶養親族がいる。
- 特別障害者である配偶者や扶養親族がいる。
計算式
(給与収入 - 850万円) × 10%(最大15万円)を給与所得からマイナスします。
② 給与と年金の両方がある人
「会社員をしながら公的年金も受給している」という人で、給与所得後の金額と年金に係る雑所得の金額の合計が10万円を超える場合、最大10万円を給与所得からマイナスすることができます。
まとめ
- 給与所得は、お給料やボーナスだけでなく、会社から受ける「おトクな利益」も含まれる。
- 給与所得控除という「概算経費」が自動的に引かれる。
- 仕事の出費が多いなら特定支出控除、条件に合えば所得金額調整控除でさらにおトク。
- 年末調整は、正しい税額に直すための大切なイベント。
給料明細の「所得税」の欄を見る目が少し変わりましたか? 自分の所得がどう計算されているかを知ることは、賢いマネーライフの第一歩です。
以上、給与所得についての解説でした!
横浜市青葉区・都筑区・緑区の個人事業主の確定申告・顧問契約はぜひ菅原和望税理士事務所へ!
よくある質問
Q. サラリーマンでも経費を計上できますか?
A. 特定支出控除を利用すれば、一定の要件を満たす自腹の支出を給与所得控除に上乗せして控除できます。
Q. 給与所得控除額は収入によって変わりますか?
A. はい。収入金額に応じて段階的に控除額が定められています。令和8年度税制改正による見直しは給与所得控除の見直しで解説しています。

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