皆様、こんにちは。税理士の菅原和望です。船長や航海士として乗船されていた方が水先人になると、働き方が会社員から個人事業主へと変わります。今回は、その切り替わりでお金と税金がどう変わるのかを整理します。
収入の受け取り方が変わる
会社員であれば給与として毎月一定額が支給され、源泉徴収と年末調整で税金の精算まで完了します。水先人になると、水先料が業務終了後に代理店等から入金される形になり、金額も時期も一定ではありません。給与所得控除は使えなくなり、代わりに実際にかかった費用を必要経費として差し引きます。この「経費という考え方が加わる」点が、最も大きな違いです。
税金の手続きが自分の責任になる
年末調整がなくなり、毎年ご自身で確定申告を行います。所得税だけでなく、住民税の納付方法も給与からの控除から自分で納付する形に変わり、消費税の課税事業者となれば消費税の申告も加わります。事業の種類に応じて個人事業税が課される場合もあります。納付の時期が年間に分散するため、資金の予定表を作っておくことをおすすめします。
社会保険と将来の年金が変わる
健康保険と厚生年金から、国民健康保険と国民年金に切り替わります。厚生年金には事業主負担がありましたが、国民年金にはそれがなく定額の保険料となるため、将来受け取れる年金額は会社員時代より少なくなるのが一般的です。また退職金制度がないため、老後資金は自分で準備する前提になります。小規模企業共済やiDeCoは掛金が所得控除の対象となるため、税負担を抑えながら準備を進められます。詳しくは小規模企業共済・iDeCoの活用をご覧ください。
退職時に受け取る退職金の扱い
前職を退職して受け取る退職金は退職所得となり、勤続年数に応じた退職所得控除が適用されるため、給与に比べて税負担が軽くなる仕組みになっています。多くの場合は勤務先での手続きで課税関係が完了しますが、独立した年は他の所得と合わせて申告内容を確認しておくと安心です。
切り替えの年に確認すべきこと
独立した年は、前職の給与所得と水先人としての事業所得の両方を申告します。開業届と青色申告承認申請書の提出期限、開業前に支出した費用の取扱い、帳簿の付け方など、初年度に決めておくべき事項が多い時期です。独立1年目の切替ガイドと開業手続きのまとめもあわせてご覧ください。
まとめ
会社員から個人事業主への切り替えは、税金と社会保険の両面で仕組みが大きく変わります。最初の年に正しい形を作っておくと、その後の負担が軽くなります。ご相談は東京湾の水先人のための税務顧問・確定申告サポートから承っています。
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