皆様、こんにちは。税理士の菅原和望です。
税理士の視点から、今回は資産を売却した際に関係する「譲渡所得」について、詳しく解説いたします。
特に事業主の方にとっては、事業用の機械や建物を買い換えた際の税金がどうなるのかは非常に気になるところですよね。
1 そもそも「譲渡所得」とは?
譲渡所得とは、土地、建物、株式、金地金、ゴルフ会員権などの資産を譲渡(売却)することによって生ずる所得をいいます。
ただし、以下のものは「譲渡所得」には含まれません。
棚卸資産の譲渡(商売として売っている商品など)
これは「事業所得」になります。
山林の伐採・譲渡
これは原則として「山林所得」になります。
営利を目的として継続的に行われる譲渡
これも譲渡所得ではなく、事業所得や雑所得に該当します。
事業用の資産の譲渡(事業用の車など)
これらを事業所得とする誤りが多いですが、実際には譲渡所得に区分されます。
ただし、使用可能期間が1年未満の減価償却資産や取得価額が10万円未満の減価償却資産、一括償却資産で重要性が低いものについては事業所得、あるいは雑所得として区分されます。
2 譲渡所得の計算式と「50万円」の特別控除
譲渡所得の金額は、一般的に以下の式で計算します。
総収入金額 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除額(最高50万円) = 譲渡所得の金額,
ここでポイントなのが、最後に差し引く50万円の特別控除です。
譲渡益が年間で50万円以内であれば、税金はかからない仕組みになっています。
また、資産を持っていた期間によって以下の2つに区分されます。
短期譲渡所得
所有期間が5年以内。
長期譲渡所得
所有期間が5年超。
※長期譲渡所得(総合課税分)の場合、税金の計算上、所得の金額を2分の1にできるという大きなメリットがあります。
3 土地・建物の譲渡は「申告分離課税」
不動産(土地・建物等)を売った場合は、他の所得(給与や事業所得)と合算せず、独立した税率で計算する「分離課税」となります。
長期譲渡所得(5年超)
所得税の税率は15%。
短期譲渡所得(5年以下)
所得税の税率は30%。 (※注:別途、復興特別所得税や住民税がかかります。)
4 事業用資産を譲渡した場合の注意点
ここが経営者の皆様に最も注目していただきたいポイントです。
取得費の計算(減価償却の考慮)
事業用に使っている建物や機械などの「減価償却資産」を売る場合、計算に使う「取得費」は、買った時の代金そのままではありません。
所有期間中に経費として計上してきた「減価償却費の累計額」を取得価額から差し引いた後の金額が、譲渡所得の計算上の取得費となります。
購入金額と売却代金の差額で譲渡所得を計算する誤りが多いので注意が必要です。
まとめ 税理士からのアドバイス
譲渡所得には、今回ご紹介した特例のほかにも、「マイホームを売った時の3,000万円控除」や「収用等の5,000万円控除」など、非常に多くの優遇措置が用意されています。
しかし、これらの特例は「事前の届出」や「確定申告での正確な記載」が適用条件となっているものがほとんどです。
事前のシミュレーションが、手元に残る現金を大きく左右することになります。
横浜市青葉区・都筑区・緑区の個人事業主の確定申告・顧問契約はぜひ菅原和望税理士事務所へ!
※事業所得についてより詳しく知りたい方は、税理士が解説!「事業所得」~副業収入は事業所得?経費はどこまで認められる?~の記事もあわせてご覧ください。

よくある質問
Q. 譲渡所得の特別控除にはどんなものがありますか?
A. 資産の種類や譲渡の状況に応じて、一定額を所得から差し引ける特別控除が設けられている場合があります。
Q. 事業用資産を譲渡する際の注意点は?
A. 取得費を計算する際に、これまで計上してきた減価償却費を考慮する必要がある点に注意が必要です。
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