こんにちは、菅原和望税理士事務所スタッフです。
先日、国税庁を騙る詐欺メールについて記事を書きましたが、今日は税金を滞納した場合に起こる「滞納処分」の仕組みについてみていきましょう。
滞納処分の根拠、国税徴収法
一般に、私債権が滞納となった場合には債権者の申し立てにより裁判所が強制執行を行い、財産の差し押さえや競売等を行いますが、国(徴収職員)にはこれらの手続きを自力で行うことができる権利があります。この場合の根拠となる法律が「国税徴収法」や「国税通則法」という法律です。
税金が未納になった場合、国税庁は「国税徴収法」や「国税通則法」という法律に基づいて滞納税金を回収しようと試みます。
この強制的に滞納税金を徴収しようとする手続きを「滞納処分」といいますが、国税徴収法などの法律には、滞納処分についての手順やルールのほか、滞納処分を受ける納税者についても保護しようという内容が書かれています。例えば、差し押さえてはいけない財産の規定等や納税の緩和制度です。
国税優先の原則
国税徴収法によると、「国税は原則として全ての公課及び私債権に優先して徴収する」とされています。(公課とは、社会保険料や年金、健康保険などを指します。)
つまり、納税者が税金を滞納している状況でほかにも私債権者がいる場合には、国税が私債権に優先して徴収することができるルールがあります。(ただし、例外もあります)
なぜ国税が最優先なのかというと、国税は国を動かすために必要な資金源であるにもかかわらず、私債権と違って反対給付がないため履行されづらいという性質があるため優先的に徴収する必要があるからです。
それでは実際の手続きについてみていきましょう。
国税の徴収手続
督促状
国税が納期限までに完納されない場合、納期限から50日以内に「督促状」が送られてきます。
※上記は横浜市の督促状の例です。
督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに滞納税金を完納しないときは、滞納処分へと手続きが進行します。
財産調査
督促を受けてからも未納が続く場合、「財産調査」というフェーズに移行します。
ここでは、徴収職員が滞納処分のために滞納者の財産を調査したり、滞納者等の物や住居その他の場所を捜索したりすることができます。また、官公署等への協力要請が行われることもあります。

滞納処分
ここまでくると、滞納処分が行われることになります。滞納処分とは、財産の差押え、財産の換価、換価代金の配当という基本的手続きから構成されるものです。
差押え
差押えと聞くと、ドラマなどで車がタイヤロックをされていたり「差押え」という黄色や赤いテープが貼られているシーンを思い出される方もいると思います。
差押えとは、滞納者の特定の財産について、法律上又は事実上の処分を禁止する手続きをいいます。
差押えの対象となる財産は動産や有価証券、債券、不動産、船舶、航空機、自動車、建設機械、小型船舶、無体財産権等があり、換価の容易さや保管の便利さ、滞納者の生活維持や事業継続に与える支障が少ないか、等の判断基準でどの財産を差し押さえるか決定されます。
差押え後に滞納税金を完納した場合、差押えが解除されます。
換価
差押えた財産が国により強制的に金銭に換えられる手続きを「換価」といいます。
差押財産を換価するときは原則として公売されます。官公庁オークション等のサイトを見たことがある方も多いと思いますが、あのようにして差押えられた財産は公売にかけられ入札や競り売りなどを経て換価されることになります。
配当
滞納処分に基づいて得た金銭(換価代金等)を滞納国税や債権者に交付する手続きを「配当」といいます。
換価代金等は配当した後、残余があれば滞納者に交付されます。
このようにして国税を滞納してしまった場合は滞納処分が行われます。
しかし、滞納処分を行う場合にはまず「督促状」が届きますので、いきなり財産が差押えられることはありません。
突然受信したメールで「あなたの財産が差押えられます」などという不審な内容があれば、詐欺の可能性が高いです。
滞納処分の流れをざっくりと理解することで、詐欺にあうリスクが下がるかもしれません。

もし不審なメールを見て不安に思った方は、ご自身の顧問先の税理士に確認してみてくださいね。
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納付が難しい場合の対応方法については、納期限までに国税を納付できないときはどうするの?の記事もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 税金を滞納するとどうなりますか?
A. 督促状が送付され、それでも納付がない場合には財産の差押えなどの滞納処分が行われることがあります。
Q. 督促状が届いたらどうすればよいですか?
A. 放置せず、早めに税務署へ相談し、納付や猶予制度の利用を検討することが大切です。
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