こんにちは、税理士の菅原和望です。
今日は、個人事業主と法人の皆さんが「いつ」「どの税金を」納めるべきか、その納税スケジュールを解説します。
事業を運営する上で、納税のタイミングを把握しておくことは、資金繰り(キャッシュフロー)を安定させるために欠かせません。「気がついたら納期限が過ぎていた!」とならないよう、この記事をカレンダー代わりに活用してくださいね。
1 個人事業主の納税カレンダー:1月〜12月のサイクル
個人事業主(居住者)の場合、所得税や消費税の計算期間は原則として1月1日から12月31日までの1年間です。
① 確定申告と納付(所得税):2月〜3月
もっとも重要なイベントは、翌年の2月16日から3月15日まで(第3期)に行う所得税の確定申告です。
申告・納付期限:原則として3月15日まで。
延納の特例:期限までに税額の2分の1以上を納付すれば、残りの支払いを5月31日まで待ってもらうことができます(ただし利子税がかかります)。
② 所得税の「予定納税」:7月・11月
前年の所得が一定以上あった場合、今年の税金を「先払い」する仕組みです。
対象者
前年分の所得をベースに計算した「予定納税基準額」が15万円以上になる人。
納付時期
第1期:7月1日〜7月31日
第2期:11月1日〜11月30日
金額
それぞれ予定納税基準額の3分の1ずつを納めます。
💡「今年は所得が減りそう…」な時は?
廃業や業績悪化、多額の医療費の支払いなどがある場合、「予定納税額の減額申請」を出すことができます。
提出期限:第1期分からは7月15日まで、第2期分のみなら11月15日まで。
🚜 農業を営む方の特例(特別農業所得者)
その年の農業所得が総所得の70%を超え、かつその7割以上が9月1日以後に生ずる方は「特別農業所得者」に該当します。この場合、予定納税は11月の第2期にまとめて基準額の2分の1を納めればOKです。
2 法人の納税カレンダー:決算期によって動くスケジュール
法人の場合、個人と違って「会社ごとに決めた決算期」を基準にスケジュールが動くのが特徴です。
① 確定申告と納付(法人税):決算後2ヶ月以内
法人税の申告と納付は、原則として事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内に行います。
例:3月決算の会社なら、5月31日が申告・納付の期限です。
清算中の場合:残余財産が確定した場合は、原則として1ヶ月以内に申告・納付する必要があります。
② 法人税の「中間申告」:決算から8ヶ月目
事業年度が6ヶ月を超える法人は、事業年度開始の日から6ヶ月を経過した日から2ヶ月以内に中間申告と納税が必要です。
対象外:前事業年度の確定法人税額を基準にした計算で、金額が10万円以下の場合は、中間申告書の提出は不要です。
計算方法
1 予定申告:前年度の法人税額の半分を納める(実績による計算)。
2 仮決算:上半期6ヶ月分を「一つの事業年度」とみなして実際に計算する。 ※中間申告書を期限までに出さなかった場合、自動的に「1」の予定申告があったものとみなされます。
3消費税の納税スケジュール:回数は「前年の税額」で決まる!
消費税は、個人・法人を問わず、前年(または前事業年度)の納税額によって中間納付の回数が大きく変わります。
① 確定申告
個人:翌年3月31日まで。
法人:事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内。
② 中間納付の時期と回数
直前の課税期間の確定消費税額(国税分のみ)に応じて、以下のスケジュールになります。
年1回(6ヶ月中間申告):前年税額が48万円超~400万円以下。
→中間申告対象期間終了から2ヶ月以内に納付。
年3回(3月中間申告):前年税額が400万円超〜4800万円以下。
→3ヶ月ごとに区分した期間の末日の翌日から2ヶ月以内に納付。
年11回(1月中間申告):前年税額が4800万円超。
→毎月(1ヶ月ごと)の分を、その2ヶ月後までに納付。
※消費税にも法人の「仮決算」や個人の「任意の中間申告」の制度があり、状況に合わせた調整が可能です。
4 毎月のルーチン:源泉徴収所得税の納付
従業員を雇用している場合や、税理士などの専門家に報酬を支払う場合は、「源泉徴収」のスケジュールも忘れてはいけません。
原則:徴収した日の属する月の翌月10日までに納付します。
納期の特例:給与の支払を受ける人が常時10人未満の事業所は、税務署に申請して承認を受けることで、年2回にまとめて納付できます。
1月〜6月分:7月10日まで。
7月〜12月分:翌年1月20日まで。
まとめ 2026年を乗り切る納税のコツ
最後に、個人と法人の主要な納税タイミングを比較表にまとめました。
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個人事業主(1-12月) |
法人(3月決算の例) |
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確定申告(所得税/法人税) |
3月15日 |
5月31日 |
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予定納税/中間納付(所得税/法人税) |
7月・11月 |
11月30日 |
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確定申告(消費税) |
3月31日 |
5月31日 |
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源泉所得税(原則) |
毎月10日 |
毎月10日 |
納税は、いわば「後払い」です。予定納税や中間納付は、後で行う確定申告の際の「税金の仮払い(予納)」としての性質を持っています。最終的な税額よりこれらで先に払った額が多い場合は、確定申告によって還付(払い戻し)を受けることができます。
期限を1日でも過ぎると延滞税がかかるため、ダイレクト納付や振替納税といった便利な電子納税システムをフル活用して、スマートに管理していきましょう!
横浜市青葉区・都筑区・緑区の個人事業主の確定申告・顧問契約はぜひ菅原和望税理士事務所へ!
国税の納付手続きや予定納税の詳細については、国税庁の公式サイトでも確認できますので、あわせてご参照ください。
よくある質問
Q. 個人事業主の予定納税とは何ですか?
A. 前年の所得税額が一定額以上の場合に、翌年の所得税の一部をあらかじめ納付する制度です。
Q. 法人の消費税の中間申告はいつ必要ですか?
A. 前年度の確定消費税額が一定額を超える場合に、事業年度の途中で中間申告・納付が必要になります。
令和8年度税制改正による各種改正の全体像は、令和8年度税制改正まとめでご確認いただけます。
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