皆様、こんにちは。税理士の菅原和望です。
年明け1月は「法定調書の提出」や「給与支払報告書」など、事業者の皆様にとっては事務作業が目白押しの季節です。まだまだ先のように感じるかもしれませんが、事前に勉強して申告漏れのないように対策しましょう!
今回は、その中でも意外と忘れがちな「償却資産税(固定資産税の一種)の申告」について、解説します。
所得税や法人税の計算で「減価償却」をしている方は、セットで確認が必要な非常に大切な申告です。
1 そもそも「償却資産」って何?
固定資産税といえば「土地や建物」にかかるイメージが強いですが、実は事業のために使っている機械や備品なども対象になります。これらを「償却資産」と呼びます。
具体的には、以下のようなものが該当します。
構築物:舗装路面、庭園、門・塀、看板など
機械及び装置:製造設備、旋盤、クレーンなど
船舶・航空機
車両及び運搬具:大型特殊自動車など(自動車税・軽自動車税の対象を除く)
工具、器具及び備品:パソコン、コピー機、机・椅子、エアコンなど
2 申告が必要な人は?
毎年1月1日(賦課期日)現在、国内で事業を営んでおり、その事業の用に供することができる償却資産を所有している個人または法人が対象です。
たとえ赤字の年であっても、資産を所有していれば申告・納税の義務が生じます。
3 所得税・法人税との「密接な関係」
償却資産税の申告内容は、実は普段の確定申告(所得税や法人税)で作成している「減価償却費の計算」のデータがベースになります。
申告対象のリンク
所得税法や法人税法の計算において、必要経費や損金に算入している減価償却資産は、原則として償却資産税の申告対象にもなります。
例外(申告不要なもの)
少額減価償却資産:取得価額が10万円未満で、一度に全額を経費処理したもの(所得税法第138条、法人税法第133条の規定を適用した場合)。
一括償却資産:取得価額が20万円未満で、3年間で均等に経費処理することを選択したもの(所得税法第139条、法人税法第133条の2の規定を適用した場合)。
逆に、中小事業者の特例(40万円未満の即時償却)などを適用して全額経費にした資産は、国税(所得税等)では経費になりますが、地方税(償却資産税)では申告が必要になるケースが多いため、注意が必要です。
4 申告の方法と期限
提出先
資産が所在する市区町村(東京都23区の場合は都税事務所)の長宛てに提出します。
提出期限
毎年1月31日です。
申告内容
所有している資産の名称、取得年月、取得価額、耐用年数などを一覧にして報告します。

5 税務署や自治体はどう把握している?
自治体は「償却資産課税台帳」を作成して管理しています。 また、相続や贈与で事業を引き継いだ際、特定の特例(納税猶予など)を受ける場合には、この償却資産税の通知書の写しなどを税務署に提出することもあり、国税と地方税の情報は連携されています。
まとめ 税理士からのアドバイス
償却資産税の申告は、1月31日が期限です。 「うちは小さい会社だから関係ないかな?」と思っていても、パソコンやエアコン、舗装した駐車場などがあれば対象になる可能性があります。
- 固定資産台帳を最新の状態にする(廃棄した資産が残っていないかチェック)
- 国税で「全額経費」にしたもののうち、地方税で申告が必要なものを分ける
- 1月31日までに忘れずに提出する
これを機に、一度ご自身の事業用資産を整理してみてはいかがでしょうか。
少額の減価償却資産の取り扱いについては、会計初心者向け!減価償却って何?少額減価償却資産の特例?の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。償却資産税の制度全般については、総務省のウェブサイトもご参照ください。
菅原和望税理士事務所では、顧問契約を通じて日々の帳簿付けから申告まで承ることができます。
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よくある質問
Q. 償却資産税の対象になるものは何ですか?
A. 事業のために使用する機械や器具備品など、土地・家屋以外の事業用資産(償却資産)が対象です。
Q. 赤字の年でも申告は必要ですか?
A. はい。賦課期日に償却資産を所有していれば、赤字であっても申告納税の義務があります。
令和8年度税制改正による固定資産税・住民税の改正点は、個人住民税・固定資産税の改正もご覧ください。
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