こんにちは、菅原和望税理士事務所スタッフです。
今日は会計初心者向けに、「減価償却」についてお話したいと思います。
前回、損益計算書とは何か?という記事の中で、収益と費用について確認しましたが、
収益は「経済活動の成果」費用は「成果(収益)を得るために経済的に費消された価値」のことでした。
例えば、商品販売をする店舗を運営するのに必要な水道光熱費は「費用(販売費及び一般管理費)」として損益計算書にのっていましたね。そしてこれは、間接費用でもありました。
減価償却費も同じく、間接費用です。しかし、水道光熱費などの費用と異なるのは、一気に全額を費用化しないという点です。
減価償却とは?その目的は?
そもそも減価償却は、固定資産について行われる処理です。
固定資産とは例えば、事業用に使用するために購入した自動車や建物です。
事業で車や建物を購入し使用していると、時間の経過とともに、だんだん古くなり価値が下がってきますよね。(これを減価といいます)
これらは、購入した後、価値を減らしながらも事業のために長期間にわたって使用することができますね。
そうすると、この減価分は自動車や建物を使用している期間にわたって売上に貢献している(間接対応)するといえますよね。
したがって、自動車等の取得にかかったお金(取得原価といいます)は複数の期の売上に対応させる必要があるんです。
じゃあどれくらいの期間に対応させればよいのか、というとこれも決まりがあります。
国が通常の使用下のもとでどれくらいの期間、資産が使えるかというのを定めています。(法定耐用年数)
減価償却はこの期間にわたって、計画的・規則的に実施しなければなりません。(例外はあります)
先ほどの例だと、自動車は新車の普通自動車なら6年・軽自動車なら4年です。


減価償却資産の耐用年数等に関する省令 | e-Gov 法令検索
したがって、減価償却は、有形固定資産の取得原価を耐用年数における各事業年度に配分することで、毎期の損益計算を適正に行う(収益と費用を正しく結びつける)ために必要なんです。
*一方で、同じ有形固定資産でも土地は使っていても古くならないので減価償却の対象とはなりません。
例えば、毎年売上が1,000万円ある企業が事業のため普通自動車を600万円で購入した場合(ほかに費用はない)を考えてみます。自動車は購入初年度だけでなく、その後も毎年の売上に貢献していますね。
ここで減価償却を行わなければ、自動車購入した年の利益は400万円になる一方、翌年度からは費用負担がないので利益が1,000万円になり利益が過大になってしまいます。
一方、6年にわたって600万円を償却した場合は毎年の利益が平準化され、より事業の実態を表せることになります。
中小企業者等の特例!少額減価償却資産の特例
こちらは中小企業者等のみに認められている特例です。
取得原価が10万円以上の固定資産を取得した場合は通常、減価償却の対象となりますが、特例として取得原価が10万円以上40万円未満の場合、その年度の経費として一度に計上することができます。
※令和8年度税制改正大綱(令和7年12月公表)において、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例について、対象となる減価償却資産の取得価額を40万円未満(現行:30万円未満)に引き上げる(所得税についても同様とする。)。」とされました。
ただし、この制度が使えるのは、適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円までとされていることに注意です。
また、この制度を使って全額経費計上した固定資産についても、固定資産税の対象となります。
No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例|国税庁
実際に自分で記帳できるか不安という方へ、当事務所では記帳から申告まで承ることができます。
横浜市青葉区・都筑区・緑区の個人事業主の確定申告・顧問契約はぜひ菅原和望税理士事務所へ!
あわせて、固定資産の除去に関する会計処理として、将来の資産除去費用をあらかじめ見積もり計上する資産除去債務という考え方や、法律上・経済上の権利である無形固定資産の減価償却についても解説していますので、ご参考にしてください。
Q. 少額減価償却資産の特例とはどんな制度ですか?
A. 中小企業者等が取得した一定額以下の資産について、取得価額を一括で必要経費・損金に算入できる特例です。
Q. 令和8年度税制改正で特例の内容は変わりますか?
A. 令和8年度税制改正大綱により、対象となる取得価額の上限が40万円に引き上げられる見直しが予定されています。詳しくは少額減価償却資産の特例の見直しで解説しています。
免責事項
本記事は、掲載時点の法令等に基づく一般的な情報提供を目的としたものであり、その内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。法令の改正や個別のご事情により取扱いが異なる場合がございますので、実際のご判断にあたっては必ず専門家にご確認くださいますようお願いいたします。
また、本記事の内容および記事で取り上げたテーマに関するご質問・ご相談・ご意見・お問い合わせ等はお受けしておりません。本記事のご利用により生じたいかなる損害につきましても、当事務所は一切の責任を負いかねます。何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。