皆様、こんにちは。税理士の菅原和望です。
今回は、大学生世代(19歳以上23歳未満)のお子様などがアルバイト等で「123万円(所得58万円)の壁」を少し超えてしまった場合に適用される「特定親族特別控除」について解説します。
所得税法第84条の2に基づき、その控除額は親族の所得金額に応じて非常に細かく区分されています。今回は、大学生のご家族がいる方必見!税理士が詳しく解説します。
1 「特定親族特別控除」の対象となる条件
この控除を受けるためには、その年の12月31日時点の現況で、以下の条件をすべて満たす親族(特定親族)がいる必要があります。
年齢
19歳以上23歳未満 であること。
続柄
納税者と生計を一にする親族(配偶者を除く)または里親に委託された児童であること。
所得金額
合計所得金額が 58万円を超え、123万円以下 であること。
※給与収入のみの場合、年収で「約123万円超〜約188万円以下」の範囲です。
重複不可
他の納税者の扶養親族等として申告されていないこと。
専従者除外
青色申告者の専従者として給与をもらっている人などは対象外です。
2 特定親族特別控除の段階表
所得税法第84条の2第1項に規定された計算ルールに基づき、特定親族(19歳〜23歳未満)の合計所得金額に応じた控除額をすべて記載します。
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特定親族の合計所得金額 |
控除額 |
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58万円以下 |
(通常の扶養控除 63万円 が適用) |
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58万円超 〜 85万円以下 |
63万円 |
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85万円超 〜 90万円以下 |
61万円 (※1) |
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90万円超 〜 95万円以下 |
51万円 (※1) |
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95万円超 〜 100万円以下 |
41万円 (※1) |
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100万円超 〜 105万円以下 |
31万円 (※1) |
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105万円超 〜 110万円以下 |
21万円 (※1) |
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110万円超 〜 115万円以下 |
11万円 (※1) |
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115万円超 〜 120万円以下 |
6万円 |
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120万円超 〜 123万円以下 |
3万円 |
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123万円超 |
0円(適用なし) |
(※1) 85万円超〜115万円以下の計算ルール
法律上は「63万円から、(合計所得金額のうち84万1円を超える部分の金額) を控除した金額」とされています。ただし、この差し引く金額(調整額)には「10万円の整数倍から8万円を引いた金額(2万円、12万円、22万円……)」という端数調整規定があるため、上記のように 所得が5万円増えるごとに控除額が10万円ずつ減っていく 階段状の構成になります。
3 手続きに必要な書類
会社員の方が年末調整でこの控除を適用する場合、通常の扶養控除等申告書とは別に、専用の 「給与所得者の特定親族特別控除申告書」 を勤務先に提出する必要があります。
申告書には以下の事項を記載します。
・特定親族の氏名、個人番号、生年月日、住所
・納税者との続柄
・その親族のその年中の 合計所得金額の見積額 と、それに基づき計算した控除額
※特定親族が海外に住んでいる「非居住者」である場合には、親族関係を証明する書類や送金実績を証明する書類の提出・提示が別途必要となります。
まとめ 税理士からのアドバイス
「特定親族特別控除」は、大学生世代の子供がアルバイトで少し稼ぎすぎてしまった際の急激な税負担増を抑えるための、非常に重要な救済措置です。
・所得85万円(年収約150万円)までは、通常の扶養控除と同じ63万円を維持できる のが最大のメリットです。
・所得123万円(年収約188万円)を超えると控除が完全に消滅する ため、このラインを意識することが大切です。
・年末調整では 専用の申告書 を出し忘れないよう注意しましょう。
横浜市青葉区・都筑区・緑区の個人事業主の確定申告・顧問契約はぜひ菅原和望税理士事務所へ!
扶養控除の詳しい内容については、税理士が解説!「扶養控除」~離れて暮らす子どもは扶養控除対象?~の記事もあわせてご覧ください。
そもそもの基礎控除の最新の早見表についても解説していますので、あわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 特定親族特別控除の対象となるのはどんな場合ですか?
A. 19歳以上23歳未満の親族の合計所得金額が、扶養控除の基準額をわずかに超えてしまった場合に適用される控除です。
Q. 会社員が控除を受けるにはどうすればよいですか?
A. 給与所得者の特定親族特別控除申告書に記入し、勤務先に提出すれば年末調整で控除を受けられます。
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