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大家さんの複数物件経営、損益通算と資金計画を税理士が解説

税理士の菅原和望です。今回は複数の物件を持つ場合の損益通算と資金計画について整理していきます。

複数物件の損益通算

不動産所得内での損益通算

複数物件を所有している場合、黒字の物件と赤字の物件の損益を合算して不動産所得全体を計算します。大規模修繕を行った物件が一時的に赤字になっても、他の物件の黒字と相殺できる点は複数物件経営のメリットの一つです。

土地等取得のための借入金利子の制限

不動産所得が赤字の場合、土地取得に対応する借入金利子は他の所得と損益通算できないという制限があります。建物取得分の利子と土地取得分の利子を区分して管理しておくことで、この制限の影響を正確に把握できます。

物件ごとの収支管理

部門別・物件別会計の活用

会計ソフトの部門機能などを活用し、物件ごとの収支を可視化することで、収益性の低い物件の見直しがしやすくなります。物件数が増えるほど、どんぶり勘定では経営判断が難しくなるため、早い段階からの導入がおすすめです。

新規物件購入時のシミュレーション

新たな物件を取得する際は、既存物件との損益通算や資金繰りへの影響を事前にシミュレーションすることが重要です。既存物件の借入返済状況とあわせて検討することで、無理のない物件拡大が可能になります。金融機関からの評価も踏まえ、無理のない範囲での拡大を心がけましょう。

資金計画のポイント

物件ごとの借入金管理

物件ごとに返済期間や金利が異なる場合、全体のキャッシュフローを俯瞰した資金計画が必要です。返済スケジュールを一覧化しておくことで、資金繰りが厳しくなる時期を事前に把握しやすくなります。複数の金融機関から借入をしている場合は特に、一覧管理の効果が大きくなります。

将来の売却・買い替えの検討

収益性の低い物件を売却し、より収益性の高い物件へ買い替えることも資産の組み替え策として検討されます。売却による譲渡所得の税負担も含めて、組み替え全体の収支を試算しておくことが大切です。所有期間や取得費の状況によって税負担が大きく変わるため、早めのシミュレーションが有効です。

青葉区・都筑区で複数物件を運営する方へ

エリアをまたいで物件を持つ方の増加

青葉区・都筑区を拠点に、隣接する区や県内の他エリアにも物件を広げている方からのご相談が増えています。物件が分散すると全体の損益が見えにくくなるため、物件ごとの収支を同じ形式でまとめておくことが判断の土台になります。

物件を増やす前にご相談いただく利点

新規物件の購入、大規模修繕、法人化の検討など、資金や税負担への影響が大きい意思決定の前に相談いただくことで、選択肢を踏まえた判断がしやすくなります。複数物件の損益通算や資金計画についても、全体を俯瞰したご提案が可能です。

複数物件の管理でよくいただくご相談

物件別に収支をそろえる方法

物件ごとにファイルを分け、同じ順番で資料を綴じておくと、全体を見比べたときに差がすぐ分かります。物件が増えるほど資料の量も膨らむため、命名や並べ方の決まりを先に作っておくことが有効です。

金融機関ごとの借入状況の整理のしかた

物件ごとの融資条件は各金融機関、売買や賃料の相場は不動産会社、全体の損益と資金計画は税理士がそれぞれ担います。借入先が複数に分かれると全体像が見えにくくなるため、一覧にまとめて共有できる形にしておくと判断が早まります。

まとめ

複数物件を経営する場合は、物件ごとの収支を可視化し、損益通算や資金繰り全体を俯瞰した経営判断が重要になります。物件数が増えるほど管理が複雑になるため、早い段階から一体的に把握できる体制を整えることをおすすめします。

資金繰り対策全般は「大家さんの資金繰り対策、空室リスクと借入返済をどう乗り切るか」もあわせてご覧ください。

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よくある質問

Q. 赤字物件はすべて他の所得と相殺できますか?

A. 土地取得に対応する借入金利子相当額など、一部相殺できない部分があるため注意が必要です。契約書や借入明細から土地・建物の按分を確認し、正確に計算する必要があります。按分方法によって損益通算できる金額が変わるため、慎重な確認が必要です。

Q. 物件ごとに確定申告書を分ける必要がありますか?

A. 不動産所得は物件ごとではなく、全体を合算して一つの確定申告書で申告します。ただし内訳を明確にしておくことで、物件ごとの収益性の把握や今後の経営判断に役立ちます。

Q. 新規物件購入時に相談すべきタイミングはいつですか?

A. 契約前の資金計画段階でご相談いただくことで、税務上の影響を踏まえた判断がしやすくなります。既存物件との損益通算の影響も含めて試算することが可能です。

Q. 物件の組み替えは税務上どう扱われますか?

A. 売却時には譲渡所得の計算が必要となるため、事前にシミュレーションを行うことをおすすめします。所有期間によって税率が異なるため、売却時期の見極めも重要なポイントです。長期譲渡と短期譲渡では税率が大きく異なるため注意しましょう。

Q. 物件ごとの収支を分けて管理する方法を相談できますか?

A. 会計ソフトの設定を含めて、物件別に集計できる形をご提案します。既存のデータを整えるところからお手伝いできます。

Q. 新しい物件を購入する前に試算をお願いできますか?

A. 購入を検討している物件の資料をもとに、全体の損益や資金の流れがどう変わるかを試算してお示しします。

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この記事を書いた税理士

税理士 菅原和望

菅原 和望(すがはら かずみ)税理士/菅原和望税理士事務所 代表

  • 東京地方税理士会 緑支部所属/税理士登録番号 第154708号(2024年11月登録)
  • 登録内容は日本税理士会連合会の税理士情報検索サイト(登録番号 154708 で検索)および東京地方税理士会でご確認いただけます。
  • 会計・税務の実務経験9年
  • 株式会社カプロス 代表(2015年12月設立/ダイヤモンドコア工法によるコンクリートの穿孔・切断・解体工事/施工エリア:関東・東北)
  • 不動産賃貸業(賃貸物件の経営)

1993年生まれ。横浜市青葉区市ケ尾の菅原和望税理士事務所代表。自ら建設業の施工会社を経営し、不動産賃貸業も営む事業者としての立場もふまえ、クラウド会計(マネーフォワード クラウド)を活用した記帳・決算・確定申告までを一貫してサポートしています。

不動産所得の損益通算の詳細は国税庁の情報もご確認ください:国税庁公式サイト

 

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