皆様、こんにちは。税理士の菅原和望です。
たまプラーザや美しが丘には、都内の会社の経営者や役員としてお住まいの方が多く、「自分の会社と別の会社の両方から役員報酬を受け取っている」「自社の配当と上場株式の配当がある」「親から引き継いだアパートの家賃収入がある」といった、給与が1か所だけの会社員とは違う確定申告のご相談を当事務所でも多くいただきます。年末調整だけで終わらせてしまい、後から税務署の連絡で気づく方も少なくありません。
この記事では、会社役員や複数の給与がある方の確定申告について、申告が必要になる基準、配当と不動産所得の申告方法、使える控除、納税と住民税の注意点を横浜市青葉区の税理士が解説します。
年末調整は1か所だけ、2か所目からの給与は確定申告で精算する
年末調整ができるのは、扶養控除等申告書を提出している主たる給与の1か所だけです。2か所以上から給与や役員報酬を受け取っている方は、従たる給与の収入金額と、給与・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超えると確定申告が必要です。従たる給与は乙欄で高めに源泉徴収されているため、申告すると税金が戻ることも多く、20万円以下でも申告した方が有利な場合があります。
役員報酬は給与所得として扱われ、給与所得控除(2026年分・2027年分は最低74万円。2025年分は最低65万円)を差し引いた金額が所得になります。複数の会社から受け取っている場合は、すべての源泉徴収票を合算して申告します。ご自身の会社の役員報酬は、会社側で定期同額給与として事業年度の開始から3か月以内に決めておく必要がありますので、個人の申告と法人の決算はあわせて設計するのが基本です。
自社からの配当は原則として総合課税で申告する
ご自身が経営する非上場の会社から受け取る配当は、上場株式の配当と違って申告不要制度の対象が限られ、原則として総合課税で申告し、配当控除を受けます。少額配当(1銘柄につき配当計算期間12か月で10万円以下)は所得税では申告しないことを選べますが、住民税では申告が必要です。配当を受け取る年は、役員報酬とのバランスで税負担が変わりますので、決算時に配当額と役員報酬をあわせて試算します。
上場株式の配当は、申告不要・総合課税・申告分離課税の3つから選べます。2023年分(令和5年分)の申告からは、所得税と住民税で異なる課税方式を選ぶことができなくなりました。総合課税を選んで配当控除を受けると有利になる所得水準は限られ、国民健康保険や介護保険料に影響することもあるため、証券口座の年間取引報告書をもとに申告する・しないを判断します。
アパート・駐車場などの不動産所得がある場合
青葉区・都筑区にはご自宅のほかにアパートや貸家、駐車場をお持ちの方が多く、家賃収入は不動産所得として給与と合算して申告します。固定資産税・火災保険料・管理料・修繕費・建物の減価償却費・借入金の利息が経費になり、修繕費と資本的支出の区分、青色申告の10万円控除(事業的規模であれば65万円控除)の使い方で税額が変わります。大家さん向けの詳しい解説は大家さん・不動産オーナーのための税務顧問・確定申告サポートのページにまとめています。
不動産所得が赤字の場合は給与所得と損益通算できますが、土地の取得に対応する借入金利息の部分は損益通算の対象になりません。相続した物件を貸している方は、取得時期や取得費の引き継ぎも確認が必要です。
医療費控除・ふるさと納税・iDeCoの申告
役員の方の確定申告で忘れやすいのが、年末調整では処理できない控除です。医療費控除(家族分を合算して10万円または所得の5%を超える部分)、ふるさと納税などの寄附金控除、初年度の住宅ローン控除、雑損控除は確定申告で受けます。
ふるさと納税のワンストップ特例は、確定申告をすると無効になります。2か所以上の給与や配当の申告で確定申告をする方は、ワンストップ特例を申請していても、寄附金受領証明書(またはポータルサイトの証明書データ)をすべて添えて申告し直す必要があります。iDeCoの掛金は小規模企業共済等掛金控除として、年末調整で申告済みなら重ねて申告する必要はありませんが、確定申告書には金額を転記します。
予定納税と納付方法
前年の申告納税額が15万円以上になると、翌年は7月と11月に予定納税が必要になります。役員報酬や配当が増えた翌年は、予定納税の通知が届くことを見込んで資金を確保してください。業績の悪化などで所得が減る見込みの年は、予定納税の減額申請ができます。
納付は振替納税(口座引落し、3月15日の期限より1か月ほど後に引落し)やダイレクト納付、クレジットカード納付が使えます。納期限を過ぎると延滞税がかかりますので、申告と同時に納付方法を決めておきます。納付が難しい場合の対応は納期限までに国税を納付できないときはどうするの?で解説しています。
住民税は給与から天引きされる分と自分で納める分に分かれる
確定申告の内容は税務署から横浜市へ送られ、住民税に反映されます。給与所得分の住民税は主たる給与から特別徴収(天引き)されますが、2か所目の給与や配当・不動産所得の分も原則として合算して主たる給与から天引きされます。給与・公的年金以外の所得については、確定申告書の住民税に関する事項で「自分で納付」を選ぶと普通徴収にできます。副収入の内容を勤務先に知られたくない方は、この選択を忘れないでください。
青葉区の方の住民税の窓口は青葉区役所税務課(青葉区市ケ尾町31-4)です。所得税の確定申告をした方は、住民税の申告を別に行う必要はありません。
法人の決算と役員個人の申告をあわせて見る
役員個人の確定申告は、会社の決算と切り離せません。役員報酬の額、配当の有無、社宅や社用車の扱い、会社への貸付金の利息、役員退職金の準備は、いずれも法人税と所得税の両方に影響します。当事務所では、法人の税務顧問と役員個人の確定申告をセットでお受けし、翌期の役員報酬を決める時期に個人の税負担と社会保険料まで含めて試算しています。会社の顧問税理士を変えることをお考えの方は税理士の変更をお考えの方へをご覧ください。
たまプラーザ・青葉区にお住まいの役員の方の申告先と当事務所の対応
青葉区・都筑区・緑区にお住まいの方の所得税の申告先は緑税務署(青葉区市ケ尾町22-3)です。当事務所は同じ市ケ尾町の市が尾駅徒歩2分にあり、たまプラーザからは田園都市線で3駅です。役員個人の確定申告は、給与・年金所得のみの申告20,000円〜、不動産所得のある申告60,000円〜(いずれも税抜)で承っており、料金は料金表で公開しています。申告は電子申告で提出しますので、税務署へ足を運んでいただく必要はありません。たまプラーザ駅周辺の方向けのご案内はたまプラーザの税理士をお探しの方へにまとめています。
よくあるご質問
Q. 2社目の役員報酬が年間15万円です。確定申告は必要ですか?
従たる給与の収入と給与以外の所得の合計が20万円以下で、ほかに申告が必要な事情がなければ所得税の確定申告義務はありません。ただし住民税にはこの20万円の基準がなく、区役所への申告が必要です。また、2社目の給与は高めに源泉徴収されているため、申告した方が税金が戻ることも多いです。
Q. 自分の会社からの配当は必ず申告しなければなりませんか?
非上場会社からの配当は原則として総合課税で申告します。1銘柄あたり年10万円以下の少額配当は所得税で申告しないことを選べますが、その場合も住民税の申告は必要です。役員報酬を減らして配当を増やす方法は、法人税・所得税・社会保険料をあわせて試算しないと不利になることがあります。
Q. 役員として自分で負担した交際費や書籍代は経費にできますか?
給与所得には個別の経費計上がなく、給与所得控除で代替されています。役員が自己負担した支出は、勤務先が証明した特定支出が給与所得控除額の2分の1を超える場合に限り、特定支出控除として差し引けますが、要件を満たすケースはまれです。会社の業務のための支出は、会社の経費として精算する仕組みを整える方が確実です。
まとめ 顧問税理士からのアドバイス
会社役員や複数の給与がある方は、従たる給与と給与以外の所得が20万円を超えたら確定申告が必要で、自社からの配当は原則総合課税、上場株式の配当は課税方式の選択、不動産所得は経費と損益通算の確認、ふるさと納税は確定申告でまとめて申告、住民税は徴収方法の選択、と確認する点が決まっています。法人の決算と個人の申告をあわせて設計すると、翌年の税負担と予定納税まで見通せます。
確定申告が必要な方の要件は、国税庁の「確定申告が必要な方」のページで確認できます。
当事務所では、法人の税務顧問と役員個人の確定申告をあわせて代表が直接担当しています。業務内容をご確認のうえ、お問い合わせからご相談ください。顧問契約をご検討の方の初回面談は無料です。
横浜市青葉区・都筑区・緑区で会社役員・複数の給与がある方の確定申告のご相談は、ぜひ菅原和望税理士事務所へご相談ください。
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